下記の注意事項をお守りください。
これらの注意事項を怠ると、事故の生ずるおそれがあります。
選定・購入時
それぞれのバルブには、設計上の使用範囲(製品仕様)がありますので、それらを確認し、腐食・キャビテーション・ハンマリング・かじりつきなどの事故防止のため、使用条件に合ったバルブを選定してください。
バルブは、使用される地域・場所・用途・重要度などから、高圧ガス取締法・電気事業法・ガス事業法・消防法などの適用や許認可が必要な場合があります。事前に、これらの法規・基準・許認可などの適用の有無を確認してください。
バルブの呼び径は、適切な流速を考慮して、必要な流量が得られるように決めてください。一般に水の場合で管内平均流速が3m/秒を超えると、キャビテーション・振動・エロージョン(浸食)などバルブ機能を損なう影響が与えられることがあります。
黄銅材料(鋳造品)は、青銅鋳物に比較し、強度及び機密性に優れていますが、使用される環境によっては黄銅材料の弱点である腐食現象(応力腐食割れまたは脱亜鉛腐食)が発生する恐れがあります。特に応用腐食割れ現象は、次のような環境条件が同時に作用する場合に発生する危険性がありますので、青銅バルブの使用をお奨めいたします。
チェッキバルブは、構造上、作動時に騒音を発生する場合があります。配管設計の際は、十分配慮してください。
運搬・保管時
バルブが段ボール箱で包装されていても、投げ下ろすことは避けてください。また、段ボール包装の場合は、湿気が多いと包装強度が低下することがありますので、保管・取り扱いには十分注意してください。
バルブの保管は、ゴミ・粉塵・湿気が少なく通気性のある室内とし、メタルシート形などでは、開度を全開に、ボールバルブは全開の状態で保管し、シート面を保護してください。
製品に取り付けてある防塵カバーなどは、配管作業直前まで取り外さないでください。
特に禁油処理製品は、保管時の防錆・防塵に十分注意してください。
配管取り付け時
バルブが段ボール箱で包装されていても、投げ下ろすことは避けてください。また、段ボール包装の場合は、湿気が多いと包装強度が低下することがありますので、保管・取り扱いには十分注意してください。
バルブの保管は、ゴミ・粉塵・湿気が少なく通気性のある室内とし、メタルシート形などでは、開度を全開に、ボールバルブは全開の状態で保管し、シート面を保護してください。
製品に取り付けてある防塵カバーなどは、配管作業直前まで取り外さないでください。
特に禁油処理製品は、保管時の防錆・防塵に十分注意してください。
配管取り付け時
安全には十分注意を払って作業してください。配管作業は、足場の安全を確保し、不安定な管の上などでの作業行為は避けてください。
製品の配置接続は、操作保守点検・修理などを考慮し、十分なスペースを確保してください。
配管漏れやバルブに異常な応力を掛けないため、配管は管軸が一直線になるよう芯出しを行ってください。
配管後も正しい管理が大切です。配管の“たるみ”はバルブに応力を与え、装置の運転に悪影響をもたらします。パイプハンガ等で調節し、常に配管を直線状に保持してください。
ゲートバルブ・ボールバルブは原則として全開又は全閉でご使用ください。
半開きのまま使用しますと、弁座面を損傷しやすく、バルブの全閉時に弁座漏れが生じることがあります。
特に、高流速の流体や固形物混入流体では、損傷が激しくなります。
このようなラインでの流量制御としてボールバルブをご使用される時は、バルブの全閉時の弁座漏れを許容できるよう配管設計をしてください。
詳細は、「バルブの配管取り付け姿勢」をご参照ください。電動バルブの取付姿勢は、バルブ正立の状態から水平位置までは可能ですが、天地逆さ吊りはできません。
方向 | 姿勢 | ゲート・グローブ・ボール弁 | 逆止弁 |
---|---|---|---|
水平 | 正立 | ||
横向き | |||
下向き | |||
垂直 | 上向き 流れ | ||
下向き 流れ |
配管内部の砂・泥・スケール・溶接スパッタなどの異物は、バルブの作動や部品に損傷を与えますので、水や空気などで管の内部を十分に清掃してからバルブを接続してください。特に、ストレーナを配管した後、配管内の清掃を行うと、ストレーナのスクリーンが目詰まりを起こし、破損することがありますのでご注意ください。
管のねじ切りは、JIS規格どおりのねじ加工をしてください。ねじ切り機は自動切り上げ式をご使用ください。
また、予めねじが切られているパイプの場合は、必ずねじゲージで正しいねじが切られているか確認してください。
JIS規格を外れる細ねじや長ねじに切られているパイプを不用意にねじ込むと、ねじ室に深く入り過ぎ、バルブシートを歪めてしまうことがあるので使用しないでください。
JIS規格バルブ以外のメーカー型バルブの管用めねじは、有効ねじ部の長さがJIS規格より短くなっています。
(パイプのねじ室への入りが浅くなっていますのでご注意ください。)
バルブへの管のねじ込みは、次の方法を目安としてください。
青銅・黄銅製品の適正な締付トルクは、下記の通りです。
過大な力でねじ込まないよう注意してください。
特に黄銅製品の場合は、使用環境・流体との相互作用によって割れの原因となります。
呼び径 | A | 15以下 | 20 | 25 | 32 | 40 | 50 | 65 | 80以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
B | 1/2 | 3/4 | 1 | 11/4 | 11/2 | 2 | 21/2 | 3 | |
トルク (N・m) | 20~29 | 39~49 | 49~59 | 59~69 | 69~78 | 78~88 | 108~118 | 127~137 |
配管作業中にボデーとキャップの結合ねじが緩む方向(反時計回り)に力を加えないように注意してください。接合部の漏れの原因となります。
また、ねじ込む際は、ねじ込むパイプ側のバルブ端部にスパナを掛けて行ってください。
バルブにパイプレンチを掛けることはやめてください。
バルブの配管接続部の保護と内部への異物の進入を防ぐために、ポリ袋・ポリキャップなどの保護をしてあります。バルブの取り付け時、これらの防塵用袋・キャップなどは取り除いてください。
一般のボールバルブには流れの方向の指定がありませんから、ハンドルの操作に適した勝手側に取り付けてください。ハンドルは時計回り『閉』、反時計回り「開』です。なお、開・閉状態はストッパまたはインジケータの表示で判別できますが、レバー式はレバーの方向やステムトップで流れ方向の表示などでも確認できます。
アクチェータ、バルブに過大な力を加えないでください。特に、ねじ込み形電動ボールバルブでは、アクチェータやバルブを持ってバルブを回転させながらねじ込むなどの取り付け方をしないでください。
フランジのボルト・ナット締めは円周周りに締めるのではなく、相対する方向から交互に締め、ボルトの受ける荷重が平衡するよう締め付けます。特にファイアセーフ構造のバルブを組み立てる場合(ボデーとボデーキャップとをボルト締めする際)は、片締めにならないよう一層の注意が必要です。
(1~8の順は締めあげを2回り以上締め返してください。)
配管作業時に、ねじ部・フランジ部を損傷しないよう注意してください。
試運転時
新しい配管設備では、すべてのバルブを全開にし、配管内の異物を流れやすく除去しやすくしてからフラッシングします。フラッシングが終了したら、すべてのバルブが正しく作動するか確認します。
もし、バルブが全閉にならなかったら、シート面に異物が残留しているなどが考えられますので、その異常バルブを開閉せず、配管内の圧力を除いた後、分解し、点検を行います。フラッシングが終わったら、配管に取り付けてあるストレーナを分解し、異物を取り除いてください。異物を放置すると、圧力損失の増大やストレーナの消耗・破損につながります。
試運転は、圧力や温度を徐々に上げ、接続部・グランドパッキンなどからの漏れや異常がないことを確認します。
バルブをブロックバルブとして、配管の耐圧試験を行う場合の試験圧力は、そのバルブの最高許容圧力を超えないようにしてください。
グランドパッキン構造の製品は、出荷時適正な締め圧を与えてありますが、使用されるまでの保管中に、“応力緩和現象”により増し締めが必要な場合があります。増し締めにあたっては、ハンドルを回し、弁棒との“なじみ”を保ちながら、数度に分けて行います。
また、使用中にグランドパッキンから漏れ始めた場合は、必ず圧力を抜き、パッキンナット又はグランドボルト用ナットを増し締めします。なお、特に増し締め量が多い場合や極端にハンドルが重い場合は、グランドパッキンの交換をしてください。
運転時
誤操作による事故防止のため、配管には開閉方向の表示、開度指示計、タグの取り付け、識別や標識の表示、バルブへの施錠や封印とその鍵の所在の明示などの対策が必要です。また、オペレータが配管のプロセスを熟知することによって、緊急時の適切な処置が可能となります。
ゲートバルブは、全開・全閉にてご使用ください。中間開度でのご使用の場合、脈動やエローションにより弁座面が損傷する場合があります。
ポンプの停止時やバルブを急閉止すると、ウォータハンマが発生し、装置や機器に深刻な損傷を与える恐れがあります。適切なバルブ(逆止め弁)の選定や慎重なバルブ操作が大切です。
また、急速開閉弁を使用する場合には、そのバルブの1次側に充分な容量のエアチャンバや他の緩衝装置を取り付ける必要があります。
ウォータハンマは、蒸気ラインでも発生します。配管内に復水が存在すると大変危険で、バルブを急速に開くと、ハンマリングによって機器を損傷してしまうことがあります。こうした危険を避けるためには、適当な排水装置(例えばスチームトラップ)を備えることが必要であると同時に、バルブを開く場合には、《初めにハンドルを1/4~1/3回転程度回してウォーミングアップを図った後、徐々に全開する》ことが必要です。
3方ボールバルブは、Lポートで2面シート(3方向に2箇所シートがある)です。そのため、閉止しているポートの圧力がボールの流路の圧力より高い場合、圧力の低い方へ少し漏れを生じます。
電動操作の際は、必ず外してください。取り付けたままで電動操作をすると、工具・レバーなどが回転し、大変危険です。
また、手動操作を行う場合は、必ず電源を切ってから行ってください。
運転中、グランドパッキン部より漏れを生じた場合、グランドパッキンの増し締めが必要です。
Y型ストレーナは、硬質の異物がスクリーンに残存した状態で使用しますと、液体の流れにより硬質異物が撹拌され、キャップまたはカバーの異物が繰り返し衝突します。そのため、キャップまたはカバーの摩耗が流行し、開口により漏れの発生の恐れがあります。
保守・点検
不測の事故を防止し、バルブを長く安全にご使用いただくためには、日常点検や定期点検を計画的に実施し、異常の早期発見と適切な処置が大切です。
また、正しくバルブを使用していても、部品の摩耗や腐食などにより一定の寿命があります。
配管ラインやバルブキャビティ部の残留水の凍結により、バルブを損傷する恐れがあります。凍結の恐れがある配管ラインは、キャビティ内の残留水の除去、配管ラインの保温など凍結防止対策を施す必要があります。
バルブを配管ラインから取り外す場合や分解する場合は、安全のため、必ずラインの圧力を解放した後行ってください。バルブ内部の圧力残留や流体の残留にもご注意ください。
廃棄
バルブを廃棄する際、人体や自然環境に有害なものが含まれていないことを確認してください。
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